宅建の相続とは?相続の順位やパターンの例を出して解説!

これまでに宅建の試験でよく出る制限行為能力者と意思表示、代理、時効などを解説してきましたが、今回は相続について解説します。

相続では優先順位がありそれぞれ被相続人のとの関係で相続のパターンがあり相続の順位が決まりますが、その内容を詳しく記事にしましたので、最後までお読み下さい。

宅建相続、相続順位はどうなっているのか

相続人と相続分

第887条、900条他【相続人は誰か?相続分はどれだけか?】

相続順位は以下に解説している通りの関係性で相続分が決まります。

  1. 第1順位→直系卑属1/2配偶者1/2(直系卑属「ひぞく」とは被相続人と配偶者との子供で内縁の子は関係はなし。
  2. 第2順位→直系尊属1/2配偶者2/3(直系尊属とは実の親で義理はだめ)
  3. 第3順位→兄弟姉妹1/4配偶者3/4(兄弟姉妹は義理ではだめ)

この関係性は絶対覚えて理解することが大事なので以下で詳しく解説していきます。

相続とは?

ある人が財産(遺産)を残して死亡すると、遺族が遺産を相続する。この遺産を残して死亡する人のことを被相続人といい遺産を受け取る人のことを相続人と言います。

誰がいくら?

問題は遺族のうち誰が相続人になりいくら相続するかだが、それは上に示した条文の通り第1相続権は直系卑属配偶者の1/2であり直系卑属がいない場合には第2順位の直系尊属1/3配偶者2/3になる。

そして最後の相続権は被相続人の兄弟姉妹で1/4配偶者3/4になるがここで気づいて欲しいのは、被相続人と関係性が低くなるに従って相続分が少なくなってその分配偶者の相続分が増えることになる。

今回の説明の配偶者とは夫から見れば妻で妻から見ると夫で戸籍上も夫婦関係にあるもので内縁の妻は相続が原則的にできない。

例を出して解説してみますので相続できる関係性を理解して下さい。

被相続人Aが死亡し6.000万円の遺産を残したとすると実の子供(配偶者との)が直系卑属で1/2直系卑属が1人なら3.000万円を相続し2人なら更に1/2の1.500万円づつだが、配偶者は1人しかいないので当然1/2の3.000万円が相続分となる。

例外がない場合にはこの直系卑属と配偶者がいる場合は、直系尊属である親、兄弟姉妹は相続権がないということです。

代襲相続(だいしゅうそうぞく)

ところで孫(直系卑属の子供)が相続人になれなかったが孫が相続人になるのはどういう場合だろうかを説明します。

  1. 死亡:子供が相続する分を相続できなかった場合「子供とは直系卑属のこと」はその子供つまり被相続人からみた孫は相続はできないのか?ではできるパターンは子供が被相続人より先に死亡したか、または被相続人と子が同時に死亡した場合に子の代わりに孫が相続できる。(これは説明するのにとてもむずかしいので図に書いて理解して下さい)
  2. 欠格:あまり良い例ではありませんが、ドラマのように親(被相続人)を子供が遺産目当てに殺めた場合は相続することができない、これを相続欠格、欠格事由といいますが、この場合子に変わってが相続できます。
  3. 廃除:殺害とまでもいかないが子供が被相続人の生前のとき虐待したらどうなるのか?それは虐待した子供には家庭裁判所にその虐待をした子供には相続させないでくださいと請求できますが、これを廃除といいます。廃除は子供が3人いるのにそのうちの1人が可愛いから1人だけに相続させるという身勝手な廃除は認められない。

相続の承認と放棄

相続人は、己のために相続が開始したことを知ったときから3ヶ月以内(相続を開始した日ではない。)に1:単純承認するか2:限定承認するか3:放棄するかを選ばなくてはならず1度選ぶと自由に撤回できない。なお3ヶ月以内に選ばないと、単純承認したことになるがこの3つの意味は次の通りです。

  1. 単純承認:被相続人が残した遺産も借金も全部受け継ぐ相続方法のこと。
  2. 限定承認:被相続人が残した借金は遺産だけから返済し遺産返済できない部分については返済しない方法のこと。大事なのは、限定承認は相続人の全員共同でなければできないということで限定承認をしたものとしないものがいるとその後の処理がややこしくなるからです。
  3. 放棄  :被相続人が残した遺産も借金も全く受け継がないことにすること。ここで大事なのが代襲相続を生じないということで例えば被相続人Aが6.000万円の遺産を残して死亡したとする。Aには配偶者(妻)「ただし被相続人が妻であれば配偶者は夫」Bとその子CとDがおりDには子Eがいたとする。(Aから見ると孫)Dが相続を放棄すると相続人はB(配偶者)とCになるEはCを代襲相続しない。よってAが残した遺産6.000万円はBとCが相続しBが3.000万円Cが3.000万円相続しDは相続しない。先に出てきた遺産の相続順位の1:直系卑属1/2配偶者1/2だから。

例題

相続人Aが自己のために相続の開始があったことを知らない場合であっても、相続の開始から3ヶ月経過した場合はAは単純承認したとみなされる。(H-28出題)

解答

相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に1:単純承認するか2:限定承認するかあるいは3:放棄するかを選ばなければならない(選ばなかったら単純承認)なので例題では相続の開始を知らないので相続の開始から3ヶ月経過しても単純承認したことにはならない。

遺産分割

B配偶者(被相続人Aの妻)から最終順位の(被相続人の兄弟の兄Jとする)は相続順が決まっているしかし実際の相続は現金6.000万円とは限らない。遺産と言っても家や土地、クルマ、や現金を合わせて6.000万円相当ということもある。そこで誰が何をもらうか決める必要がある。これが遺産分割で次の2パターンが試験に出ます。

1:分割前でも譲渡できる。

解説:遺産分割前は相続財産6.000万円は相続人全員の共有財産になるそして各共有者は自分の持分を自由に譲渡できる。(この件に関しては後で出てきます)だから各相続人は、遺産分割前でも自分の相続分(まだ具体的に何がもらえるか未定の共有持分)を第3者に譲渡できる。他の共同相続人の同意は不要となっています。

2:分割には全員の同意が必要。

各相続人は原則としていつでも遺産の分割を請求でるが例外として遺言で(遺言でしかできない遺産分割を禁止した場合(禁止ができるのは5年まで)。

禁止がない場合に誰かが分割請求をすると、遺産分割協議(誰が何をもらうのかを具体的に決める話し合い)をすることになるが、これには共同相続人の全員の同意が必要です。話がまとまらない場合は各共同相続人は家庭裁判所に分割を請求できます。

例題

被相続人が遺言で5年間遺産分割を禁止した場合は共同相続人は家庭裁判所の許可を得なければ遺産分割をすることはできない。

解答

遺言で遺産分割が禁止されたら家庭裁判所は出る幕はなく5年待たなければならない。つまり5年待つしかないのです。

遺言(いごん・ゆいごん)

第961条【遺言のポイント・前半】

  1. 制限行為能力者も遺言ができる。

①未成年者は15歳になると遺言ができる。(法定代理人の合意は不要

②成年被後見人は判断力が回復している間なら医師2名以上の立ち会いがあれば遺言できる。(成年後見人の同意は不要です。)

③被保佐人は自由に遺言できる。(保佐人の同意不要

2.胎児に遺産を与える旨の遺言も有効

3.遺言も死因贈与(しいんぞうよ)いつでも撤回することができる。(撤回権を放棄できない)

自分の死後、遺産を誰にどれだけ与えるかを書き残すのが遺言で、遺産を与えられる人(相続する人)を受遺者といいます。

遺言は要件を満たせば制限行為能力者にもできそして2にあるようにまだ産まれていない胎児に対して遺言をするのも有効です。

なお一度遺言しても気が変わることもあるので3のようにいつでも撤回できることになっていてそれは制限行為能力者に限ったことではありません。

ちなみに遺言者が故意に破り捨てた場合にはその遺言は撤回された(なかったこと)ことになります。3の死因贈与とは「自分が死んだらこれをあげるよ。」と約束しておくことで遺言と同じ扱いになります。

例題

Aが自己所有の土地をBに与える旨の遺言書を作成しその遺言にこれが最後の遺言であり、これを撤回することがない旨が明記されていたとしても、Aが後日その土地をCに贈与した場合、先の遺言は撤回されたとみなされる。

解答

遺言はいつでも撤回できるので遺言に最後の遺言明記されていても土地を他のものに贈与すれば先の遺言は撤回されたことになる。よって正解。

第967条【遺言のポイント・後半】

自筆遺言証書遺言と公正証書遺言は効力が同じだから優劣なしで後の遺言が有効。

解説

遺言書は、自分で作成することもできるが、(自筆証書遺言)作り方がわからなかったら、公証人役場という所で公証人というプロに作ってもらうこともできる。(公正証書遺言)ただしプロが作ったからと言って権威があるというものではなく効力は自分で作ったものと同じです。

違いは2つ

自筆証書遺言と公正証書遺言の違いは何かというと2つある。

  1. 証人:いつでもどこでも自分一人で勝手に作れるのが自筆証書遺言が便利なところだが証人は不要で公正証書遺言は2人以上の証人が必要。逆に1人で作ったほうが証人が必要ではないかと思いますが証人が必要なのは公正証書遺言の方ですね。証人になれないのは未成年と被相続人の近親者で自分の有利になるように書かせる可能性があるからです。
  2. 検認:検認とは、遺言者の死後、家庭裁判所が確かに遺言書が存在しますと確認する手続きの事で遺言書の偽造を防ぐものだから遺言書の効力は変わらない。検認の手続きは公正証書遺言の場合は必要ありません。

ここで仮に被相続人に全く身寄りがない場合はその遺産は最終的には国庫に帰属するが、「私はAさんの内縁の妻でしたと(特別縁故者という)申し出て」家庭裁判所に認められれば審判で遺産を取得できる。(この場合相続ではない

遺留分

第1028条【遺留分の割合はどれだけか?】

  1. 兄弟姉妹には→遺留分はない
  2. 直系尊属だけが相続人の場合→遺留分は遺産の1/3
  3. それ以外の場合→遺留分は遺産の1/2

解説

1遺留分とは?例えば、被相続人が遺産を全部孤児院に寄付するという遺言を残して死亡した場合、遺族としては1円も相続することができないことになるのだろうか?

親孝行は遺産目当てにするものではないが、遺産があるならもらいたいと言うのが人の人情でまた遺産をもらえないと遺族の生活が破綻するということもありそこで遺言でも侵害することができない遺族の遺産の取り分として、遺留分というものがあります。

誰がいくら?

遺留分を有するのは、配偶者、直系卑属、直系尊属兄弟姉妹に遺留分はない。遺留分の割合は、直系尊属だけが相続人の場合は遺産の1/3でそれ以外(兄弟姉妹に遺留分はない)は1/2でそれ以外というのは遺留分を有する相続人が直系卑属と配偶者の場合直系卑属だけの場合、配偶者だけの場合、直系尊属と配偶者の場合です。

この孤児院に寄付されてしまった遺産を取り返すのが遺留分でこの取り返す権利を遺留分減殺請求権と言います。

遺留分の放棄

長くなりましたがもう少しです。

ところで被相続人のAがどうしても遺産全額を孤児院に寄付したいと思ったらですが、それには配偶者のB、子のC同じくDが遺留分を放棄することが必要でそしてAが生前、B、C、Dが遺留分を放棄するのは家庭裁判所の許可が必要でこれがないとAの圧力で無理やり放棄させられる可能性があるからです。

長文になりましたが相続の流れを解説してきました。

まとめ

  • 相続では直系卑属と配偶者が優遇されている。
  • 相続順位が下がると配偶者の遺産取り分が多くなる。
  • 遺言は裁判所でも対抗できない。
  • 最新の遺言が有効。
  • 兄弟姉妹に遺留分はない。

次回は物件の変動・危険負担・債権譲渡を取り上げます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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