宅建の代理とは|制度ごとに詳しく解説【受験者必見】!

宅建の試験に向けて権利関係のうち制限行為能力者と意思表示を解説してきましたが今回は代理について解説していきたいと思います。

代理の基本から、復代理、無権代理などを詳しく解説していきますので順番に読み進めていただきたいと思います。

第2章代理制度を詳しく解説

1.代理の基本

第99条【代理とはどういうものなのか?】

代理人が意思表示をすると契約の効力は直接本人に帰属する。

詳しく解説すると東京に住む本人A(買い主)代理人Bに代理権を与え大阪にいる相手方C(売り主)にC所有の土地を買いたいと交渉し契約するとAはCに土地を要求することができるしCはAに土地の代金を要求(請求)することができる。

あたり前のことだがBは単なるAの代理人だから例え代理人のBを介してCの土地を買ったとしてもBには要求されず、Cの土地の代金は直接Aに要求されこのことを契約の効力は直接本人に帰属するといいます。

この事例を使ってこの先のことを説明しますのでこの本人Aと代理人B、相手方売り主Cの関係性をよく理解して下さい。

第101条【代理人が詐欺・強迫にあったらどうなるのか?】

代理人がだまされたり(詐欺)、脅されたり(強迫)して契約させられた場合はその契約を取り消しできるのは本人のAである。

第99条のところでも触れましたが、代理人を介して契約したものは直接本人に帰属するのでここでは代理人は関係なく本人が対象になります。この取り消しができることを取り消し権といいます。

例題

Aの代理人BがCにだまされてDとの間でD所有の土地について売買契約を締結したが、詐欺の事実について、AとDとも善意(ここでの善意とは詐欺だとは知らなかったこと)だった場合、Aは当該契約を取り消すことはできない。

解答

代理人Bが詐欺にあって契約するとその効力はBの代理人には関係なく直接Aに帰属するのでBのことは考えずAとCが契約したと考えれば良く詐欺の当事者はAとCにでありDは善意の第三者なのでAはCとの契約を取り消すことはできない。よって正解です。

考え方のポイントとしては一番の弱者を保護しようとするものでここでは何も知らない関係ないCが騙されたことが一番弱い立場と考えます。

ちなみに第三者のCが悪意(詐欺としっていたら)ならもちろん本人のAが契約を取り消すことができBは取り消せないつまり取消権は本人のAにだけあるということです。

これからも善意の第三者とか悪意の第三者などが登場してくるのですべて理解して欲しいのですが、関係性が複雑だったらノートに本人とか第三者とか善意、悪意など図に書いて理解するのが良い方法です。

第100条【代理人が「代理で来ました」というのを忘れるとどうなるのか?】

原則

代理人は必ず「○○さんの代理で参りました」といわなければならない(これを顕名という)。これを言わないと代理人自身が契約したことになってしまいます。

例外

しかし例え顕名(代理として来たと言わなくても)を欠いたとしても相手側が〇〇さんの代理で来たんだな(悪意)と知っていたり知り得た場合には本人に契約の効力が帰属する。

詳しく説明すると原則としては東京からBがきてCの土地を1億円で売っていただけませんかと代理できたことを告げず(顕名を欠く)契約してしまった場合Cは何も知らないわけだからBと契約したことになりBが1億円払わなくてはいけないことになります。

例外としてはCがAの代理で来たんだなと知っていた場合(悪意)、善意有過失(知らなかったけど落ち度があった)場合はAの本人が買い主となります。

引用元:brush-up.jp

例題

AがA所有の土地の売買に関する代理権をBに与えた。Bが自らを「売り主の代理人B」ではなく「売り主B」と表示して買い主Cとの間で売買契約を締結した場合には、Bは売り主Aの代理人と言うことを知っていても売買契約はBとCの間で契約は成立する。

解答

Bが「Aの代理で来ました」と言わなくても「顕名を欠いても」Cは代理で来たんだなと知っているのだから(悪意)で契約はAとCの間で成立する。よって誤り。

第102条【子供の使いでも良いのか?】

未成年のような制限行為能力者でも代理人になることができる(子供の使いでもO.K)そしてこの場合本人は代理人が締結した契約を取り消すことができない。

詳しく解説

第99条で解説したように代理人が意思表示すると契約の効力は本人に及び代理人には及ばない。ということは第99条でやった事例で代理人Bが未成年で相手方Cに実際は1億円しかしない土地を2億円で売りつけられた不利な契約をしても未成年者のBが損をすることはない。よって制限行為能力者の未成年Bでも代理人になることができます。

ここで注意するのはあくまでも制限行為能力者を保護しているので土地の売買や建物の売買の代理人になれるが直接損をする保証人にはなれない。(未成年者などの制限行為能力者を保護する。)

そしてこの未成年者Bが締結した契約を未成年がやった行為という理由で取り消すことはできないなぜなら未成年を代理人にした本人Aの自業自得だからです。

第103条【代理人の権限が決められていない場合何ができるか】

権限の定めのない代理人にできることは次の3つです。

  1. 保存行為(例えば家の雨漏りを修理する。)
  2. 利用行為(例えば家を貸して賃料を稼ぐ。)
  3. 改良行為(例えば家の壁紙をきれいなものに張り替える)

代理権を与えられても具体的に何を代理できることがはっきり決まっていない場合がよくあるが、そのような場合にあとは任せるなどと言われた場合は、上記の1から3のことができることになっています。

例題

権限の定められていない代理人は、保存行為しか行う事ができない。

解答

保存行為だけではなく、他に、利用行為と改良行為もできるので誤りである。

第108条【代理人がやってはいけないことが2つある】

1自己契約(じこけいやく)と2双方代理(そうほうだいり)は原則として禁止になっているがこれにも例外があり。何に付けても原則と例外があるので文章をよく読んで原則、例外の違いに気を付けて下さい。

解説1.自己契約とはAがBに「俺の土地を高く売ってくれ」と頼み売買契約の代理権を与えたとしてこの場合Bは自分以外の誰かに売らなければならず依頼されたBが買い主となる(自己契約という)ことは禁止されている。なぜなら代理権を与えられたBは自分の都合の良いように安い値段を付け買取りAの利益が失われるからです。(不正は許さないということ)これが原則でただし不利益を受けるA自身の許諾(きょだく)=事前に許可あることと追認があれば話は別で例外となりBは買い主となることができる。

双方代理とは

引用元:amanaimages.com

双方代理とはAが「俺の土地を高く売ってくれ」とBに代理権を与えCはBにAの土地を安く買ってくれと購入の代理権を与えると当事者双方の代理人になる、このように当事者双方の代理人になることを双方代理といいます。

この場合BはAの土地を安くするとAが損をしてしまいBがAの土地を高くすると買い主のCが損をするこれではBはどちらかの一方を裏切ることになる。このような理由で双方代理は原則として禁止であるといえる。(あくまでも原則)

しかし損をする人がそれでも良いと言っているなら禁止する必要はなく当事者のAとBが許諾(片方ではだめ)すればBは双方代理行為を有効に行うことができる。(例外の話)

前途しましたが原則があれば必ず例外がありますので代理の件に関しても必ず「原則」と「例外」がありますので気を付けましょう。

例題

Bが売り主Aの代理人であると同時に買い主Cの代理人としてAC間で売買契約を締結しても、あらかじめ、A及びCの承諾を受けていればこの売買契約は有効である。

解答

簡単である。BがAとCの両方の代理(双方代理)は禁止されているが例外としてA及びBの両者が承諾していればBは双方代理を有効に行うことができる。よって例題の答えは正しい。

第111条【代理権はどのような場合に消滅するのか?】

代理権は次の場合消滅する。

  1. 本人の死亡、破産。
  2. 代理人の死亡・破産・後見の開始。

本人の破産によって、委任による代理権は消滅する。しかし法定代理の場合は、本人が破産しても代理権は消滅しない。

代理は2種類あり1.委任による代理。(大阪の土地を買って来てくれと本人から代理権を与えられる)2.法定代理は頼まれて代理になるのではなく法律で代理権を与えられる場合の代理でつまり親権者、未成年後見人、成年後見人がこれに当たる。

注意としては宅建士の試験本番では、破産、破産者とは言わず破産手続きの開始が決定される。この言葉で破産の問題は出る。

宅建士の詳細はこちら

制限行為能力者はこちら

意思表示はこちら

復代理とは

引用元:poto-ac.com

第107条【復代理とはどのようなことか?】

復代理とはAがBに大阪のCの土地を買ってきて欲しいと代理権を与えられてもBが事故あるいは病気などで代理をすることができないこともある。そこでBはもう一人の代理人B`を決めておきB`がCの土地の契約に成功すると契約の効力はAの買い主に帰属する。

無権代理とは

第113条、116条【無権代理とはどういうことか?】

原則の話:本当は代理人ではない者が代理人のふりをして行った契約(これを無権代理行為という)は無効になる。(無効とは最初から何もなかったこと、取り消しはその事実はあったが取り消して効力がなくなること)

原則→無効

BがAから何の代理権を与えてられないのに勝手にCのところに行き「私はAの代理人だが貴方の土地を1億円で売って欲しい」と申込み契約をまとめたとする。こういう行為を無権代理という。

この結果Aは買い主にさせられ1億円を払わなければならなくなると無茶苦茶な話になるからこの場合無権代理は無効(最初からなかった)とされAは1億円の支払い義務はない。

例外→有効

例外としてはBが無権代理で勝手に話を進めてきてもAの利益になる場合があるのでAがBの無権代理契約を追認(事後承諾)すれば無権代理行為を有効なものにできAは土地の買い主になれるということです。

ここで試験によく出るポイントですがAが追認すると無権代理行為はいつから有効になるかですが答えは契約の当初に遡って有効になるので追認した日が有効開始日ではない。

例題

無権代理人が3月1日に無権代理行為をし、本人が4月1日に追認した。この場合無権代理行為は4月1から有効になる。

解答

3月1日に遡って有効になる。よって誤り。

第114条、115条、117条【無権代理人と契約した相手方を保護するための3つの制度】

  1. 催告権

無権代理人と契約した相手方は、本人に対して、相当の期限を付け「追認するかどうか答えろ」と催告(催促)することができる。もし期限までに答えが無いと追認を拒絶したとみなされる。(この催告は無権代理について悪意でもできる。)つまり無権代理行為と知っていた場合にも催告ができるということ。

2.取消権

無権代理人と契約した相手方は、本人の追認がない間(無権代理人について追認があったが、それを相手方が知らない間も同じで契約を取り消せる。(ただしこの取消しは無権代理であることについて善意の場合にだけできる。)(善意とは事実関係を知らなかったということ)

3.履行請求権・損害賠償請求権

無権代理人と契約した相手方は、本人の追認がない間は無権代理人に契約の履行、損害賠償を請求できる。

ただし無権代理人が制限行為能力の場合はこれらすべての請求はできないことになっています。

制限行為能力者はこちら

表見代理とは

引用元:blog.link-academy.co.jp

第109条、110条、112条【表見代理は3つある】

  1. 代理人Bが代理権限外の契約をしてしまった場合。Aが自分の土地をCに賃貸する代理権をBに与えたところその土地をCに売却してしまったらどうなる?
  2. 代理人Bが代理権取り消し後に契約した場合。
  3. 本人AがBに代理権を与えていないのに「私はBに代理権を与えましたと表示」しBがAの代理人として契約した場合。

答えは3つとも同じで相手方Cが善意無過失(事情を知らなくてなおかつ落ち度がないこと)ならA.C間に売買契約が有効に成立する。

このように表見代理とは表向きに代理権があるように見えることで、そういう誤解を相手方Cに生じさせた責任が本人Aにあるから契約が有効になっても自業自得。もっともCが悪意か善意有過失(知らなくても重大な落ち度があること)ならCを保護する必要はないから契約は無効になる。

このように善意や有過失無過失悪意などで状況が変わってくるのでこの善意、悪意とかの言葉を覚え理解することがとても必要です。

今回は権利関係の代理について解説して来ました。まとめると次のようになります。

  • 代理は双方代理・複代理・無権代理・表見代理などがあります。
  • 善意・悪意・無過失・有過失などの言葉が多い。
  • 原則があるから例外もある。
  • 原則的に制限行為能力者は保護される。

代理の説明は以上です。次回は時効について解説します。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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