宅地建物取引士の権利関係|制限行為能力者を詳しく解説!

今年こそ宅建士試験に合格するんだというあなたに宅建士の試験範囲は大きく別れて権利関係、宅建業法、法令上の制限になりますが、今回は一番難易度の高い権利関係(民法が基本)の中から制限行為能力者について解説していきます。

第1章制限行為能力者とは

制限行為能力者

本題に入る前に原則の話をしますが、契約とは守らなくてはいけないものであなたが仮に1億円のマンションを購入したら必ず購入代金を支払わなければならないのが原則で支払いをしないと債務不履行になりますが、これからお話する制限行為能力者が契約したことには例外となることがあります。制限行為能力者とは未成年、成年被後見人、被保佐人、被補助人のことです。

未成年者

未成年者でも婚姻をしたことがあるものは20歳未満でも未成年ではなく成年とみなされますが、その他は民法が改正、施行されるまでは未成年として扱われます。

また18歳以上なら選挙権がありますが、その話は民法ではないので別の話として扱われます。

未成年者の保護者は親権を持つ親ですが、親がいない場合は裁判所が定めた人が後見人になりこの親、未成年後見人のことを法定代理人と言います。

成年被後見人

成年被後見人とは成人しても自分で判断が極端に難しい人例えば痴呆症(ちほうしょう)の人、重い精神疾患の人などに対して裁判所が定めた後見人がつきます。この後見人のことも法定代理人ということになります。制限被後見人が後見人に無断で行った契約はすべて取り消しになりますが、例外としてシャンプーや石鹸、洗剤、ティッシュペーパーなどの日用品の購入は取り消せません。

法定代理人の権限(未成年)

法定代理人の4つの権限は1取消権(とりけしけん)で未成年者が法定代理人に無断で契約したことは一部を除き取り消すことができます。

例えば未成年者が法定代理人の許可、了承なくクルマを購入したことは法定代理人によって取り消すことができます。2同意権(どういけん)は法定代理人が未成年者の契約に同意することができその場合は取り消しはできません。3追認権(ついにんけん)とは追加して認めるということで追認するのが4月1日でも契約した日が3月1日ならその日に遡(さかのぼる)って認めることができます。つまりわかりやすくいえば事後承認です。

法定代理人は未成年に代わって(代理して)本人の契約をすることができこのことを4代理権(だいりけん)といいます。

未成年者と成年被後見人の2つの違い

未成年者と成年被後見人には2つの違いがありますが、それは法定代理人の同意を得て行った契約も取り消せるのかについては未成年者の場合は取り消しができず成年被後見人の場合は取り消しができます。

次に損しない契約でも取り消せるのかという場合は未成年者は取り消せないが成年被後見人の場合は取り消しができるという決まりがあります。

被保佐人

被保佐人とは先にあげた成年被後見人ほどではないが、精神障害のために独り立ちするのには少し無理な人が世間にはいます。

そういう人を保護するために家庭裁判所が補佐開始の審判をする。つまり被保佐人とは

  1. 精神障害のために判断力が相当弱くて
  2. 補佐開始の審判を受けた人で被保佐人には家庭裁判所が決めた保佐人がつくことが決まりとなっています。

被保佐人は何ができるかと言うと未成年や成年被後見人より障害が軽いのだから保護の対象が少なく原則的には被保佐人の判断で契約することができることになっています。

ただ次のような重大な契約(大損する恐れがある契約)をすることはできず保佐人の同意が必要になっています。

第13条被保佐人は何ができるか。

被保佐人が次のような契約をするときは保佐人の同意が必要になります。

  1. 土地の売買・5年を超える賃貸借。(土地の売買は高額なのでできない、5年を超える土地の賃貸借はできないが、5年ちょうどの契約はできる。つまり土地の売買や5年を超える賃貸借は保佐人によって取り消すことができます。この5年を超えるとか5年ちょうどというのは試験に出て勘違いしないようにして下さい。
  2. 建物の売買・3年を超える賃貸借・増改築等の発注(建物の売買も高額なのでできませんが建物の賃貸借は3年を超えなければ契約できます。
  3. 高額商品の売買(タバコ1箱のような場合は取り消せません)
  4. 借金をしたり保証人になること(これは常識で考えれば良い)
  5. 贈与をしたり、贈与の申し出や遺贈を断ること(つまり人にあげるのはできないがもらうことは断れない)

保佐人の権限

  1. 被保佐人が保佐人の同意なくして行った重大な契約は本人と保佐人が取り消せるということ(取消権)
  2. 被保佐人が保佐人の同意を得なくて行った重大な契約でも保佐人が追認(事後承諾)すると取り消しができない(追認権)があります。

例題:被保佐人が保佐人の同意を得ずに土地を5年間賃貸をする契約をした場合被保佐人本人だけがこの契約を取り消すことができる。

解答:被保佐人はちょうど5年の間賃貸借する契約は、保佐人の同意なしにできるので取り消すことができない。ただし5年を超える賃貸借の場合には取り消しができるが被保佐人にも取り消せるが保佐人にも取り消せることができる。よって例題の契約を取り消せるは誤り。

覚えること:被保佐人は同意なしに行った重大な契約だけ取り消せる。

未成年・成年被後見人・被保佐人に共通する問題点

第20条【相手方の催告権】

A  制限行為能力者と契約した人は保護者(法定代理人)に対して1ヶ月以上の期限をつけて「追認するかどうか答えろ」と催告(催促のこと)できる。

もし期限までに答えが無いと契約は追認(契約に対して事後承諾)したことになる。

B  上のAのうち被保佐人と契約をした人は上のAの代わりに被保佐人本人に対して1ヶ月の期間を付けて「保佐人の追認を得てこい」と催告しても良いことになっていてもし期限までに追認を得たとの答えが無いと契約は取り消されたということになります。

第21条【制限行為能力者のウソ(詐術】

制限行為能力者が(私は能力者です)とウソを言い契約したことは取り消すことができないとなっており保護する対象でもウソまでついたのだから保護しなくても良いだろうという考え。

第126条【何時まで取り消せるか?】

制限行為能力者が行った契約は制限行為能力者が行為能力者になってから5年経過または契約してから20年が経過すると取り消すことができない。

被補助人

制限行為能力者には未成年、成年被後見人、被保佐人がいますが、その他に被補助人がいます。

ですが、この被補助人については試験問題が出ませんので特に気にしなくても大丈夫です。

以上制限行為能力者について説明してきましたが、試験ではややこしい言葉がたくさん出て来ますから過去問を徹底的に勉強し本番の問題にも正解できるようにしておくことが大事です。

まとめ

  • 主に制限被後見人とは婚姻したことがない未成年者と成年被後見人、被保佐人、被補助人がいます。
  • 制限行為能力者が行った契約行為は取り消すことができるが例外もある。
  • 成年者だとあるいは能力者だと虚偽を持って契約した場合は取り消しの対象にならない。

この記事は筆者が体験に基づき記事にしているもので実際には法律が改正されたりの理由で表現が変わることがありますので注意して下さい。また間違いのないように記述しましたが、誤りがある可能性がありますので最新の教科書あるいは参考書を参照して下さい。

次回は意思表示を勉強しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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